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相続した車の名義変更と売却|必要書類と100万円以下の簡易手続き

公開日 2026年8月25日最終更新 2026年8月28日カルボ・モーター・カーズ編集部

ご家族が亡くなられたあと、残されたお車をどうするか。決めなければならないことが重なるなかで、どうしても後回しになりやすい手続きだと思います。

まず、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。お車の相続には、手間が大きく減る仕組みがあります。 査定額が100万円以下なら、相続人の方全員に書類を回さなくても名義を変えられる、という決まりです。ご存じない方が多く、必要のない手間をかけてしまっているのをよく見かけます。

この記事では、相続したお車の名義変更と、そのあと売却するまでの流れをまとめました。いま全部を読んでいただく必要はありません。 必要になったときに、必要なところだけご覧ください。

この記事でわかること

  • なぜ名義を変えてからでないと売却できないのか
  • 相続でお車の名義を変えるときに揃えるもの
  • 査定額100万円以下のときに使える、簡単な手続き
  • 軽自動車なら、さらに手間が少ないこと
  • 相続放棄をお考えの場合に、気をつけたいこと

まずは名義を引き継ぐところから

お車は、所有者の方が亡くなられた時点で、相続人の方々の共有財産になります。そのため、売却や廃車の前に、まず名義を引き継ぐ手続きが必要になります。乗り続ける場合も同じです。

順番としては「名義変更 → 売却」になりますが、この手続きは買取店が代行できることが多いので、ご自身で運輸支局へ足を運ばれる必要があるとは限りません。カルボ・モーター・カーズでもお手伝いしています。

相続で名義を変えるときに揃えるもの(普通車)

普通車の場合、次のものを揃えます。

書類取得場所備考
車検証車内亡くなられた方の名義のもの
被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)本籍地の役場出生から死亡までつながるもの
相続人全員の戸籍謄本各本籍地の役場相続人を確定するため
遺産分割協議書自分で作成相続人全員の実印が必要
相続人全員の印鑑登録証明書各役場・コンビニ発行から3か月以内
新しい所有者の車庫証明警察署保管場所が変わる場合
申請書・手数料納付書運輸支局当日その場で

このなかで手間がかかるのが、遺産分割協議書です。 相続人の方全員の実印と印鑑証明が要るため、ご兄弟が遠方にお住まいだったり、連絡を取りにくい方がいらっしゃったりすると、書類を揃えるだけで何週間もかかることがあります。

ただ、次のどちらかに当てはまる場合は、この手間が大きく減ります。

相続人がおひとりだけの場合、遺産分割協議書は要りません。 話し合う相手がいないためです。次にご説明する申立書も査定書も必要ありません。ただし、ほかに相続人がいないことを確かめるため、原戸籍(改製原戸籍謄本)を求められることがあります

法定相続情報証明書をお持ちの場合、戸籍謄本の束は不要です。 法務局で交付を受けられる書面で、相続関係が1枚にまとまっています。他の相続手続きでも使えるため、すでにお持ちであれば、そのまま提出できます。

ここで、冒頭でお伝えした仕組みが役に立ちます。

査定額100万円以下なら、ぐっと楽になります

お車の査定額が100万円以下であることを確認できる場合、遺産分割協議書の代わりに「遺産分割協議成立申立書」という書類を使えます。

この書類の良いところは、お車を相続される方おひとりの実印だけで手続きができる点です。相続人の方全員に書類を回していただく必要がありません。

遺産分割協議書遺産分割協議成立申立書
使える場面すべての相続手続き査定額100万円以下の車のみ
必要な実印相続人全員新しい所有者おひとり
用意する手間大きい小さい

使うにあたって、2つだけ前提があります。

ひとつは、査定額が100万円以下だと確認できる書類が要ること。 関東運輸局の案内では「査定証、または査定価格を確認できる資料の写し等」とされています。運輸支局によって求められる書類が異なる場合がありますので、事前にご確認ください。ご自身で「100万円以下だと思う」とお伝えいただくだけでは通りません。

もうひとつは、相続人の方の間で了解が取れていること。 書類のうえではおひとりで手続きできますが、他の方に伝えないまま進めてよい、という意味ではありません。あとでお困りになることがあります。

申立書の用紙は、運輸支局の窓口でいただけるほか、国土交通省のサイトからも入手できます。

査定書はどこで用意する?

中古車査定士の資格を持つ査定士がいるお店で発行してもらいます。 日本自動車査定協会(JAAI)でも査定を受けられますし、有資格者が在籍している買取店でも対応しているところがあります。

なお、カルボ・モーター・カーズでは査定書の発行を行っておりません。買取のご相談としての査定はお受けできますが、この手続きに使う査定書が必要な場合は、上記でご用意ください。

軽自動車なら、さらに手間が少なくて済みます

軽自動車は普通車と制度が別で、遺産分割協議書も、相続人の方全員の印鑑証明も要りません。

必要なのは、車検証、亡くなられたことが確認できる戸籍謄本、新しい所有者の住民票、そして申請書類です。実印ではなく認印で手続きできます。

手続き先も運輸支局ではなく、軽自動車検査協会になります。

普通車と軽自動車で、ここまで手間が変わります。相続されたお車が軽自動車なら、身構えていただかなくて大丈夫です。

相続放棄をお考えの場合

ひとつだけ、先にお伝えしておきたいことがあります。お車を売ったり名義を変えたりすると、相続を承認したとみなされる場合があります。

借入などがあって相続放棄を検討されている場合、お車を先に手放してしまうと、放棄ができなくなるおそれがあります。

価値がほとんどないお車については、処分しても相続放棄に影響しないと判断されることもあります。ただ、この線引きは状況によって変わります。少しでも放棄をお考えでしたら、お車に手をつける前に弁護士や司法書士にご相談ください。

なお、査定額をお調べになるだけであれば相続の承認にはあたらない、と説明されるのが一般的です。ただしこの判断もご事情によりますので、ご心配な場合は専門家にご確認ください。

名義変更から売却までの流れ

売却をお考えの場合、実際にはこう進みます。

段階やること
1車検証で所有者を確認する(ローン会社名義の場合は別の手続きが要ります)
2査定を受けて、金額と「100万円以下かどうか」を確認する
3100万円以下なら遺産分割協議成立申立書、超えるなら遺産分割協議書を用意
4戸籍謄本などの書類を揃える
5名義変更と売却を進める(買取店が代行できることが多い)

2番目に査定を置いているのには理由があります。 100万円以下かどうかで必要な書類が変わるため、金額が分からないまま書類を集め始めると、集め直しになることがあります。

名義変更の期限について

制度のうえでは、名義変更は所有者が変わった日から15日以内とされています(普通車の場合、道路運送車両法 第13条第1項)。

ただ、相続の場合は、どなたが引き継がれるかが決まるまで、そもそも申請ができません。 遺産分割協議書または遺産分割協議成立申立書に、新しい所有者を記載する必要があるためです。話し合いに数か月かかることは珍しくありません。

あわせて気に留めていただきたいのは、時間が空くとお手間が増えやすいということです。

  • 自動車税の納税通知書が、亡くなられた方のお名前で届き続けます
  • 年月が経つと相続人の方が増えることがあり、そのぶん揃える書類も増えます
  • お車の価値は、少しずつ下がっていきます

この記事は、必要になったときに思い出していただければと思います。

なお、相続にはお車以外にも期限の定められた手続きがあり、進め方はご事情によって変わります。全体の段取りについては、弁護士・司法書士などの専門家にご確認ください。

まとめ

  • 売却や廃車の前に、まず名義を引き継ぐ手続きが必要
  • 普通車は相続人の方全員の実印が要るが、査定額100万円以下ならおひとりの実印で済む
  • そのためには査定証、または査定価格を確認できる資料の写し等が必要
  • 軽自動車なら、遺産分割協議書も印鑑証明も要らない
  • 相続放棄をお考えの場合は、お車に手をつける前に専門家へご相談を
  • 査定を先に受けて金額を確認すると、必要な書類が決まって遠回りしない

どこから手をつければよいか分からない、という段階でもご相談いただけます。車検証をお手元にご用意いただくところからで大丈夫です。

※制度に関する記載は2026年8月27日時点の情報です。相続の手続きは個別のご事情によって異なります。判断に迷われる場合は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。

よくある質問

亡くなった方の車は、名義を変えないと売れませんか?

はい、名義を引き継いでからになります。お車は所有者の方が亡くなられた時点で相続人の方々の共有財産になるため、売却や廃車の前に手続きが必要です。ただ、この手続きは買取店が代行できることが多く、ご自身で運輸支局へ足を運ばれる必要があるとは限りません。

相続人全員の印鑑証明が必要ですか?

査定額によって変わります。100万円を超える場合は必要になりますが、100万円以下であれば「遺産分割協議成立申立書」が使えるため、お車を相続される方おひとりの実印だけで手続きができます。

100万円以下であることは、どうやって証明しますか?

査定書で確認します。関東運輸局の案内では「査定証、または査定価格を確認できる資料の写し等」とされており、求められる書類は運輸支局によって異なる場合があります。ご自身での申告では通らないため、事前にご確認のうえ、日本自動車査定協会(JAAI)などでご用意ください。

軽自動車の場合も同じ手続きですか?

軽自動車はもっと簡単です。遺産分割協議書も相続人全員の印鑑証明も不要で、認印で手続きできます。手続き先は運輸支局ではなく軽自動車検査協会です。

名義変更に期限はありますか?

はい、制度のうえでは15日以内とされています(普通車の場合、道路運送車両法 第13条第1項)。ただ相続の場合は、どなたが引き継がれるかが決まるまで申請そのものができません。なお、相続には車以外にも期限の定められた手続きがありますので、全体の段取りは弁護士・司法書士などの専門家にご確認ください。

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